晩年

2018.11.11

いくらくんという名前でSPOONを始めた。

色んなことをやってきたし、

色んな出会いもあった。

 

そんな彼のことを気に入ってくれた方や

有難い話 歌を歌って お金をいただくということまで

出来た。

 

彼にとってSPOONってなんだったんだろー。

凄く変な言い方をしちゃうけれど、

いくらくんとぼくは全く別の人間であって、

彼はもうぼくの中には存在してない。

 

SPOONの中だけで生きて死んでいった1人のお調子者でした。

色んな形式でライブもした。

泣いてくれた方や、笑ってくれた方

100名以上のリスナーの前で歌を歌ったこともありました。

 

そんな中。

彼を抹消しようと思ったのが1月頃。

いずれ消えいくだろう彼に疑問を感じたのです。

 

数が増えれば増えるだけ色んな意見がでてくる。

 

いくらくんの枠は入りたいけど入りづらい。

いくらくんの枠は怖い。

 

そんな話をたくさんたくさん聞いてきた。

 

お調子者の彼はとても悩んでいたし、

自分のやってきたことが誰かの不満に繋がっている事実にとても落胆していた。

 

悪い話ばかりじゃないのも 勿論。

ただ、彼はバカなので 本気で全員が楽しめるコンテンツになりたかった。

けど、なれなかった。

 

1000人が彼をファンとして登録したとしても、

SPOONの運営が彼をCHOICEに選んだとしても、

そんなものは彼にとっては一瞬の褒美なだけであって、その嬉しさは長くは続きませんでした。

 

いくらくんは孤独じゃなくて、孤高だと言われたことがあった。

 

その言葉にも彼はかなり傷ついていた。

 

彼はとても欲張りで、とても自己中心的で、

だけど、凄く寂しがり屋で、弱虫な男だった。

 

そんな彼が選んだのが

「居なくなること」だった。

 

よくSPOONというアプリは引退詐欺 云々が蔓延っている。

ただ、いくらくんとぼくは 冒頭にも話した通り

全くの別物。

 

ぼくはSPOONを初めて利用する人間と考えて欲しいのです。

 

友達の てら は僕に

「いくらくんからサトウコウヘイに変わったとみんなは言うけど、それは違う。サトウコウヘイに戻ったんや」と言ってくれた。

 

嬉しかった。

 

親がつけてくれた名前を使い 何もかもさらけ出した状態で東京に来た。

 

いくらくんという創造を経て、彼はぼくの中から姿を消し、残った肉体はサトウコウヘイへ返還されたのです。

 

よって彼の最後の作品集

"I HATE MUSIC"はSPOON内で活動している(もちろん SPOON関係なくやってる人もいる)アーティストを呼んで 作りました。

 

そして、彼が最後に放った一言が

「ぼくは今、音楽になりたい」

 

この音楽になりたい とはなんなのか。

サトウコウヘイに戻ることだったのか。

 

それとも、自ら居なくなって残った亡骸(音楽)を

愛してくれと言いたかったのか。

 

ゴッホは死んでから評価された人間です。

 

いくらくんも今、その状態にあります。

 

まだサトウコウヘイに取り残されてるとかなり聞きます。

いくらくんが残したものたちが 濃すぎたから。

 

ただ、今居るのは サトウコウヘイであって

いくらくん ではないのです。

 

でも。

彼を愛してくれた皆様に 最後にもう一度だけ

会えるのならば。

彼の葬式だろうと思いました。

 

2019.08.24

下北沢circus

 

サトウコウヘイ ワンマンライブ

"晩年"

 

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最後のお別れは配信なんかじゃない。

しっかり目の前で あなたの耳と目で聞いて、見てほしい。

 

彼が音楽になりたかった理由がわかる日です。

 

1人でも多くの人が来てくださりますように。

 

彼もあなたに会いたがっていましたよ。