拝啓、ロックンロール様

上京してから 色んなことがあった。

代々木公園で路上ライブして、お客さんの子供と日が暮れるまで遊んだり、大阪の友達のイベントにO.Aで参加させてもらったり。

 

そしたら、まさかの踊ってばかりの国のVo.下津さんと会って話したり、俺のギターで歌を歌ってたり。

 

新曲を作ってみたり。

 

そんな日々を送っていたら 梅雨を越えようとしていた。

夏が近づく。

 

東京の夏は暑い。知っている。

 

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ロックンロールを聴く。

どうにかなってしまいそうな夜

気が狂いそうな夜

どうしようもない夜

なにもできない夜

 

そんな夜にロックンロールは

「そんなもんかお前」って歌ってくるもんだから、

「いやいや、まだだよ。」と返す。

 

たくさん人を裏切ってきた。

たくさん人を傷つけてきた。

そんな俺が唯一 縋った音楽が

ロックンロールでした。いや、過去形じゃない。

です。だ。

 

俺にはたくさんの先輩が地元に居て、

その人達は今日も地元で音楽をやっている。

 

田舎だから色んな噂なんかも秒で流れるのであって、それが事実だったり そうでなかったり。

音楽ではなくて 人で音楽を判断されているようで

正直、キツい部分があった。

 

そんな中でも その先輩たちは

先輩たちの音楽をやっていた。

 

僕の1つ上の先輩で

アコースティックギターを手にして歌う人間がいる。

彼は現在 家庭ももって、可愛い子供もいて

それでもロックンロールをやっている。

 

僕の憧れのひとりである。

 

彼はとてもシャイで、それでもステージに上がれば

誰よりもロックスターだった。

そんな彼を見て 僕は嫉妬もしたし、悔しい思いもたくさんした。

 

だけど、そんな先輩が居てくれることを

本当に誇りに思う。

 

いつかのライブで彼と共演した時

僕はMCでこう話した。

 

「彼が僕に背中を向けて先を歩くから、いつか越すまで僕は音楽をやめません。彼がいてよかった」

と。

 

彼はなんだか照れくさそうな顔をしていた。

 

彼の曲で

「青のまわりをぐるぐると」という曲があって

僕に対して作ったらしく 初披露の時

僕は号泣してしまった。

 

はじめて誰かに曲を作られた。

 

だから、もうそろそろ僕も恩返しをしないと。ね。

 

拝啓、ロックンロール様。

拝啓、ロックンロール様。

 

あなたに用があります。

あなたに、あなたに用があります。

 

眠れない夜にいつも救ってくれた音楽が

あなたの歌声で響き出して夜を駆け巡ったものだから、僕は今日もそれに標準をあわせて歌を歌うのです。

 

そして、その歌が僕の歌から彼や彼女らの歌になりますようにと

また深夜に思うのです。

 

東京で生きています。

田舎者で情けなくてクズな僕は

東京で生きています。